夢を売る男

自費出版を仕事としているなら、ぜひ読んだ方が良いと勧められ早速読みました。人気作家、百田尚樹の作品です。

舞台は出版業界、それも我が社と同じ自費出版の業界。主人公の牛河原が学生や主婦、定年を迎えた大学教授など出版の素人を言葉巧みにおだて、本を出版させる出版業界の裏話です。

自費出版の場合、ごく一部は書店で販売されますが、知人や友人など関係者に贈呈することが一般的です。しかし中には売れないと分かっていても、この本のような詐欺まがいの出版(ジョイントプレスなど)があるのも事実でしょう。

百田尚樹はこの実態をフィクションとして仕立てていますが、業界の人が読めばB社などの暴露本であることは想像に難くありません。帯にブラックコメディと書かれているとおり、軽快なシナリオと文章力は素直に読んでもおもしろい。難しい本が苦手な方でもスラスラページがめくれ一気に読めるはずです。

ただ私の場合、分かってはいたものの目の当たりにこんなひどい現実を見せられると気分が悪くなってしまいました。

当社など、NPO法人日本自費出版ネットワークの加盟社では考えられない事ですが、小説に出てくるような悪徳業者では、標準的な価格の3〜4倍の価格で取引されています。これから自費出版をお考えの方には騙されないためにも必読の本です。私も自費出版アドバイザーとしてこんな被害者が出ないように微力ながら活動して行くつもりです。

舟を編む

先週の自費出版アドバイザーの研修で勧められた、「舟を編む三浦しをん)」読了。話題の映画を見るか原作を読むか迷ったけど、本にしました。大型の辞書を編纂、出版に携わる主人公たちの熱い人生。私も今後携わる、自社の出版物の編集にもっともっと愛情を注いでいかなければ・・・

明けましておめでとうございます。


和倉温泉より、夜の七尾湾

ぎりぎりの予約でしたが、Tさんのおかげで元旦を温泉で過ごすことができました。いつもはだらだら過ごす3日間ですが、今年は一日でエネルギーがチャージできました。明日から全力で始動できそうです。


今日は朝から自宅で仕事。2013年は中期ビジョンの2年目の年。5日の経営方針発表の粗稿を書きました。みんなの腹にはいるプレゼンができるか?私の一番大切な仕事です。

IPIAポスターコンペ表彰式

石川県印刷工業組合(IPIA)が主催する、学生を対象にしたイメージポスターコンペの表彰式が行われました。今年は新しく片町にオープンした「金沢学生のまち市民交流館」で開催されました。ここは古い町家を改装したところで金沢らしい趣のある素敵な会場でした。第5回を迎える今年は、作品も増え90点の応募。展示は11月18日まで。


今回のテーマはFamily。最優秀作品(金城大学 短期大学部 前田ひかるさん)については「以心伝心する家族間の思いを、圏外のない電波として表現」を、人と人とのコミュニケーション不足が叫ばれている社会情勢においてその大きな要因ともなっている携帯電話のイメージを逆に利用した広告的手法を用いて的確に表されているとして高く評価され、授賞に至りました。


実は今回印刷組合の代表として審査員のピンチヒッターをする場面があり緊張の場面がありドキドキ。
これまでは気楽に審査のお手伝いをしていたので、自分が選んだ作品が他の審査員の先生方とあまりにもかけ離れていたらかっこわるいな〜。でも先生方の後に票を入れるとマネをしたようで気まずいので、真っ先に10作品を選びました。おかげさまで大きく外すことなく私の選んだ作品のうち5点は入選しほっとしています。

講評をされた審査委員長の後藤徹先生(金沢美大)は「ポスターはデザインのへそ」とコメント。どんなにWebやマルチメディアが盛んになっても一瞬で人の目を捉え滅メッセージを伝えるポスターはデザインのへそであり、これからもしっかり学んでほしいと学生にエールが贈られました。

また、記念講演を頂いた金城大学の東田修一先生は、「広告はこう告ろう」というお話の中で、グラフィックデザインは唯一、言葉を文字としてデザインできるやりがいのあるステージ。ビジュアル増々きわだたせるコピーライティングを楽しもうと語られました。


準備をする田中さん

金沢学生のまち市民交流館

泉鏡花文学賞

昨年ご縁があって当社で制作し、うつのみや書店さんで発行した「句集・晴天」が第40回泉鏡花記念金沢市文学賞を受賞しました。泉さんおめでとうございます。制作を担当したスタッフも喜んでいます。

受賞者の泉静夫さんは86歳ながらかくしゃくとした紳士。氏は石川県の俳文学協会に役員として長く携わって来られた文化人です。

編集に際してはご自分の意志をしっかりと主張されるだけではなく、編集者の意見を素直に取り入れられる柔軟な方でした。制作中に何度も作品を拝見しましたが、正直なところ著名な文学賞に入選されるとは思っても見ませんでした。

あらためて、私の未熟さと泉さんの実力を知る事となりました。
賞品の八稜鏡がどんなものなのか興味があるので、11月18日に芸術村である授賞式には参加するつもりです。賞金はなんと30万円。ぜひ奥様との思い出作りのためにお使いください。